こんにちは、あるいはこんばんはゲベルク織部です。
テレビアニメ チ。-地球の運動について-22話を見ましたので感想を語りたいと思います。
今回、アントニ司祭の「君らは歴史の登場人物じゃない」発言で続くになりました。ツイッター(Xと言わないところ、旧ツイッターと言わないところにめんどくさいこだわりが感じられますね)でつぶやいた通りこれから驚愕の展開があります。今回はテレビで物語を追っている方々に合わせネタバレなしで語ります。
今回一番思ったこと
アントニ司祭、金には汚いが考え方が実は一番まともだと感じました。当事者意識が薄いせいもあって考え方が論理的かつ俯瞰的です。地動説と教義に関する考え方もかなりメタなところがあります。考え方の軸が現代的ですね。背景を考察すると彼は存在自体矛盾しています(父親は聖職者なので独身でなければならず息子がいるのは本当はNG)ので元司祭の息子の立場は利用するが宗教は妄信していないという距離を置いた冷静なスタンスが感じられます。物語では語られていませんが、自分の矛盾する存在に彼は彼なりに悩み、それを乗り越えるための信念があっての性格、言動なのかもしれません。頭のいい人、努力や苦労を乗り越えた人は結果、基本他人に期待せず物事に一歩距離をおく考え方になるそうです。アントニ司祭の性格は出自の矛盾を克服したことからきたものなのかもしれません。
最後付近でアントニ司祭が「地動説迫害は一部の人間の勘違い」であることを語るくだりの回想で出てくる一番輝いてる頃のノヴァクさんのイメージがとても惨めで滑稽ですらあります。一般的な物語だとざまあな展開なのですが、「チ。」でのノヴァクさんたち異端審問官は本人に悪意がなくむしろ善意の信念で仕事していたので悲劇通り越して喜劇すら感じられます。また、ヨレンタさんの自爆を目の当たりにした異端審問官が「恐ろしい、恐ろしい」とずっと震えていることについて、彼は異端審問官の立場ではなく一人の人間の生の部分で恐怖を覚え、その恐怖に信仰や教義は何の助けにもなっていないところが印象的でした。
あと忘れてはいけないのは異端解放戦線の最後です。シュミットさんは追手の戦闘員2人を倒しますが背後からノヴァクに刺されてしまい死亡。他の教団戦闘員を食い止めた解放戦線のメンバー達も不利な戦いを強いられ、よくて相打ちかもしれません。
また信念のために人々がすりつぶされていきました。悲しいことに歴史が大きく動くときは、人間一人ひとりの存在はモノのように消費されていきます。(幕末の志士たち、第二次大戦末期の特攻隊士のように)シュミットさんの最期は神の決定ではなく自分自身の選択(トスしたコインを裏返した件)なので笑って逝けたのでしょうか?絵からはそのような表情には見えませんでしたがきっと彼なりに納得出来た最期なのではないかと思います。物語中、信念(地動説)を繋いだ人たちは皆やり遂げたことに満足して穏やかな表情で逝ってしまうのが哀しいところです。
今回は以上です。
来週は驚愕の展開を迎えますので体調を整えて万全の体制で視聴に臨みたいと思います。テレビのみで話を追っている方は期待して一週間待ってください。
(2/23時点ではテレビでは完結していませんので、結末を知らない方はこのブログの他の2本の「チ。」に関する記事はネタバレがありますので見ないほうがいいです)
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